去勢・避妊手術

知っておきたい去勢・避妊手術の基礎知識

ペットの去勢・避妊手術を行うことについては、様々な意見がありますが、繁殖させる予定がないのにもかかわらず妊娠してしまうと、面倒をしっかりと見きれなくなってしまう恐れがあります。実際に、年間数十万頭の子犬が殺処分されているというデータもあり、こういった自体を防ぐことは大変重要だと思われます。また、去勢・避妊手術を行うことでペットがストレスに悩むことや生殖器に関する病気の発症を抑えるといった効果もあります。まずは去勢・避妊手術についてよく知って頂き、後悔しない結論を出して頂ければと思います。

わんちゃんの去勢・避妊手術

1犬の発情期

女の子の発情期は1年におよそ2回訪れ、この時期のことを「シーズン」「ヒート」と呼ぶこともあります。女の子の発情期は、いわゆる生理の時期ですので、外陰部が腫れて10日間くらい出血します。出血の色が徐々に薄くなると排卵期に入り、この時期に交尾をすると妊娠をします。一方で、男の子の発情期は特に時期が決まっておらず、生後7ヶ月~12ヶ月で性成熟を迎えた後は、いつでも交尾ができる状態になっています。ただし、年中いつも発情しているというわけではなく、発情中の女の子が発するフェロモンに刺激されることで男の子も発情するメカニズムが備わっています。

2発情期に気をつけること

女の子が発情期に出すフェロモンは、周囲の男の子を刺激するため、場合によっては女の子を巡って男の子同士でケンカを始めてしまうことがあります。そのため、犬が集まる場所には行かないようにし、散歩もできるだけ他の犬がいない時間帯を選ぶようにしましょう。また、発情期の出血は個体差がありますが、量が多い場合は犬用の生理パンツなどをご利用になるのがお勧めです。発情期は体調が悪くなることもありますので、よく見てあげるようにしましょう。

3犬の避妊手術

わんちゃんの避妊は全身麻酔下で、お腹を開いて卵巣と子宮を摘出する手術を行います。そのため、1~2日の入院が必要になります。避妊手術を行うことで、望まない妊娠を防ぐ、 発情のストレスから解放される、子宮の病気や乳癌などの予防になるといった効果があります。生後半年~1年くらいの時期に避妊手術を受ける方が多いですが、発育状況を見ながら適切な時期を決めていくことが重要です。

4犬の去勢手術

わんちゃんの去勢手術も全身麻酔下で行います。手術後は、攻撃性が抑えられ性格が落ち着く、性的欲求がなくなりストレスから解放される、前立腺や精巣や肛門周辺の病気の予防になる、尿をするときに足を上げなくなる(7~8割)といった効果があります。生後半年~9ヶ月くらいの時期に去勢手術を受ける方が多いですが、こちらもその子にとっての最適時期を獣医師からアドバイスさせて頂きます。

ねこちゃんの去勢・避妊手術

1猫の発情期

ねこちゃんは、女の子が生後5ヶ月~12ヶ月、男の子が生後9ヶ月~11ヶ月で性的な成熟をして交尾ができるようになります。女の子は1年におよそ4回発情期を迎え、そのときに発する匂いや鳴き声で男の子も発情します。発情したねこちゃんの性欲は非常に強く、交尾できない場合には、強いストレスから食欲不振や抜け毛を引き起こすこともあります。ストレスや病気を防ぐためにも、繁殖させないのであれば去勢・避妊手術をされることをお勧めします。

2猫の避妊手術

女の子は性的に成熟して1回目の発情期を迎えた後が、避妊手術の理想的なタイミングです。手術は麻酔を使った状態で開腹して卵巣を除去するため、通常は日帰りもしくは1泊の入院が必要になります。

3猫の去勢手術

男の子は、生後10ヶ月くらいで大人の体長になってから去勢手術を受けられるようになります。手術では睾丸を除去し、日帰りもしくは1泊の入院で家に連れて帰ることができます。なお、去勢手術をすることで、室内でのおしっこを抑えられる可能性はありますが、必ずなくなるというわけではありません。

去勢・避妊手術のメリットとデメリット

避妊・去勢手術をするかどうかは、医学的な意味合いだけでなく、飼い主様の気持ちの面も重要になるかと思います。まずは正しい知識を身につけ、ご家族で話しあったり個人でよく考えたりして、避妊・去勢手術を実施するかどうかをお決め頂ければと思います。もちろん当院の獣医師やスタッフも相談に乗りますので、お気軽にご質問頂ければと思います。

去勢・避妊手術のメリット
  • 望まない妊娠を避けることができる
  • 不幸なわんちゃんやねこちゃんを減らせる
  • 生殖器に関する多くの病気を予防できる
  • 発情期のストレスがなくなる
  • 攻撃性が減り、ケンカをしにくくなる
  • 長生きできる可能性が高まる
  • 発情によって室内を汚す行動がなくなる
  • わんちゃんの場合は散歩などの外出が制限されなくなる
去勢避妊手術のデメリット
  • 身体にメスを入れて、臓器を摘出することになる
  • 後で繁殖させたくなってもできない
  • 肥満になりやすくなる
  • 麻酔や手術中の事故のリスクはゼロにはできない

去勢・避妊手術の流れ 

不安を解消するためにも、去勢・避妊手術の流れを知っておきましょう。ただし、こちらに記載させて頂いた内容は、あくまでも一般的なものですので、実際にはペットの種類や年齢などによって変わってくるということをご承知頂ければと思います。

1予約

まずは、電話で問診・検査の日をご予約ください。

2問診・検査

まずは手術を受ける前に、健康状態を確認して手術が受けられる状態であるかどうかを確認します。ワクチンの接種が終わっていない場合は、この段階で受けて頂きます。また、去勢・避妊手術の進め方やメリットとデメリットを説明させて頂きますので、ご自身のペットに手術を受けさせるかどうかの最終判断をして頂くことになります。

3手術前日

手術の12時間前から、絶食・絶水させます。もし胃の中に食べ物や飲み物があると、麻酔をかけたときに吐いてしまう恐れがあるため、必ず守ってください。

4手術当日

手術を受けるペットと一緒に当院までお越し頂き、手術同意書にご記入頂きます。

5入院

一般的には、去勢・避妊手術は日帰りまたは1泊の入院となります。自宅でのケアが難しそうな場合は、抜糸まで入院頂くこともできます。

6退院

ペットの引き取りに来て頂きます。このとき、ケアについての説明をさせて頂き、お薬もお渡しします。

7自宅看護

お薬は必ず獣医師の指示通りに飲ませてください。また、万が一、出血や精神不安定などの症状が見られましたら、獣医師にご連絡ください。

8抜糸

事前に傷口が治ってくる時期をお伝えしますので、その頃に抜歯に来て頂きます。